日本のどこでも耳にするようになったグローバル人材。京都大学でも様々な国際交流制度が登場しつつある。そこでグローバル人材とは何かもう一度把握し、京大の国際交流制度をみてみよう。
グローバル人材とは?
そもそもなぜグローバル人材が必要なのだろうか?文部科学省の坂下氏によると
「地域においてはものづくりのグローバル化に対応できる理工系人材の育成が求められています。文系においても国際的なビジネスやサービス展開、増大する海外との取引に対応できる人材に対するニーズが急拡大しています。」
と述べている。ではそんな現状に求められるグローバル人材とはどのようなものなのか?首相官邸のグローバル人材育成推進会議では以下のようになっている。
①語学力・コミュニケーション能力
②主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
③異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
大学の役割のひとつが教育である以上、このような人材育成が大学には求められている。
京都大学の国際交流制度
では、京都大学にはどんな国際交流制度があるのだろうか?その一覧をみてみよう。
〜〜留学支援制度〜〜
- 京都大学若手人材海外派遣事業「ジョン万プログラム」
ジョン万プログラムのうち「学生派遣プログラム」は京都大学の学部生・大学院生を海外大学に送り出すプログラム。学術・研究分野におけるキャリアを積み、将来研究職や専門職としてグローバルに活躍できる人材を育成することを目指す。授業料・滞在費・渡航費等についてはプログラム内容に応じて必要経費を大学が直接支援する制度となっている。
- 海外短期留学プログラム
国際交流推進機構がおこなう海外留学で、3ヶ月未満の短期留学プログラム。種類としては以下のものがある。(一部抜粋、平成26年度参照)
【北米】米国短期留学プログラム”Kyoto-DC Global Leadership Program” ( ワシントンDCの各種機関および現地企業・財団を訪問 )、国際交流科目「復興」から学ぶ21世紀の防災と環境(Tulane University)
【東アジア】中国語学習・文化体験・学生交流(浙江大学)、韓国語学習・文化体験・学生交流(延世大学校)、中国語学習・文化体験・学生交流(国立台湾大学)
【東南アジア】タイ語・文化学習・文化体験・学生交流・学外研修・発表討論(チュラロンコーン大学)、ベトナム語・文化学習・文化体験・学生交流・学外研修・発表討論(ベトナム社会科学院・ハノイ国家大学)
〜〜学内交流制度〜〜
- 京都大学国際教育プログラム(KUINEP)
海外の協定校の学生と一緒の教室でまなべる英語による講義。クラスには非英語圏からの留学生もたくさんいるので、『これから英語力を伸ばしたい』という人にもオススメ。前期、後期合わせて26科目が開講されている。文系科目は日本やアジアの文化、社会、経済、政治、理系科目も存在。
- KCJS/SJC講義
米国の高等教育機関の英語講義を、米国大学生と共に受講する制度。募集・選考が行われ、各クラスに2~3名の京都大学生が参加可能。米国の学生と同様の課題が課せられ、英文レポートや英語での討論が求められる。京都に居ながら、米国のトップスクールへ留学したのと同じような環境を経験できる制度。
- 多文化間交流教育クラス
KUINEP受講者や英語圏への留学を希望する京都大学生のために、国際交流センターが開講するクラス。
英語はもう一部のエリートだけのものではない!
ほんの10年前までは英語が使えることは大学教授や大企業の幹部のみで良かった。しかしグローバル化が進む今の世の中、企業の中間管理職など、より広い層で英語が使えることが求められている。
そんな世の中だからこそ、英語で自分の意見を発信し、価値観の全く異なる人達からも賛同を得る必要がでてきた。
これからますます進むグローバル化、学生のうちからその流れを体感することも大学生活の貴重な体験になるのではないだろうか。
【トップ画像】Joey Gannon (flickr)