【新連載第一回目】留学先から伝えたいコト。京大生の「ウィーン大学留学記」

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オーストリアのウィーン大学は、ドイツ語圏でもあるが、英語力が非常に重要な大学である。歴史や文化に恵まれた、音楽の都ウィーンでの暮らしはどうなのか?ウィーン大学留学中の京大総人3年・寺島和志さんに、聞く。

大学といえば「海外留学」。京都大学も、様々な海外大学と提携し、「交換留学」という形で京大生に海外経験を提供している。ただ、まだまだ分からないことが多いのも確か。そこで、実際に交換留学をしている(していた)京大生に、「本当の留学体験」について実際に感じていることを寄稿してもらう。彼らが自身で語る言葉を通じて、留学の生情報を京大生に提供していこうと思う。

連載企画の記念すべき第一回は、現在(2014年9月〜2015年2月)オーストリアのウィーン大学に留学中の、京都大学総合人間学部3年生・寺島和志さんに「オーストリアの今」を語って頂いた。


こんにちは。

京都大学3回生の寺島和志です。

現在、オーストリアのウィーン大学に留学中です。

ウィーン大学には京大の交換留学で来ていて、期間は1セメスターなので基本的には2014年9月から2015年2月までです。

留学の一般的な話はだいたいインターネット上にあるので、ここでは僕の経験を話そうと思います。

1.留学の一番の価値

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留学で得られる最も価値あるものは「」だと思います。語学力とか専門知識とかもあるでしょうが、それらは日本でも努力すれば得られるでしょう。日本にいるだけでは絶対に会えないいろんな人と会って、比較的長期間一緒に生活したりして、仲良くなって、色んな話をして、というのが留学で得られる最も大きなものではないかなと思います。日本とは全く違う環境で育ってきた世界中の色んな人と話すことで「こんな世界があったんだ」と気付くことができます。

同年代にも関わらず育った環境が違うと考え方とか知識とかもこんなに違うんだなーと。

時にはものすごくうらやましかったり、もうそもそも世界が違うからどう頑張っても追いつけないと落ち込んだりもしますが、ものすごい刺激になります。特に留学生が多い大学に行くと世界中から留学生が集まっているので色んな国の人と仲良くなって色んな話をすることができます。僕もウィーンに来てからヨーロッパはほぼ全ての国に友達ができましたし、中東、アジアの国にも仲の良い友達ができました。

世界中の同年代の「スゴイ人」に会うことができて、そういう人たちがどういう考え方をしているのか、どんな内容の話をするのか、どういうことをしたいのかなど今まで日本で暮らしていただけでは考えもしなかったようなこと、「こんな世界があるんだなー」ということを知ることができるというのが留学の一番の価値ではないかなと思います。

2.なぜウィーン大学なのか?

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基本的に英語力を上げたいから留学に行くという人がほとんどだと思います。そして、そのためには、まずアメリカとかイギリスとかオーストラリアが思いつくと思います。僕も最初はイギリスに行こうと思っていました。けど、京大の交換留学は一年以上前に書類を提出しなければなりません。そして、僕の場合「絶対にイギリスに行きたい!」とまでは思っていませんでした。なので、そこまで念入りに準備していたというわけではなく、TOEFLとかも受けたことがないという感じでした。

一年前の締切の時でも、実はTOEFLを受けていなかったので、TOEFLのスコアが絶対に必要な英語圏は自分の点数がどれくらいなのかわかりませんでした。行けるかわからないということで、英語圏以外で、英語で生活できるところを探していた結果、ウィーンに行き着いたという感じです。

もちろん、2013年の夏にウィーンに来たことがあって、すごく気に入っていたというのもありますが。

実際来てみて授業はすべて英語ですし、友達ともみんな英語で話しますし(ドイツ語ができない人も多い)、多分英語圏と変わりない生活だと思います。(特にウィーンは大学も観光も有名なのでほぼ英語のみという感じ)英語力向上したいから英語圏と考えてる人が多いですが、これから留学に行きたい京大生で、英語で生活できるところがいいという場合は、必ずしも英語圏だけではなく、英語で生活できるところはけっこうあるので、そうしたことも考えてみてもいいのではないでしょうか?京大の留学先一覧に、例えばウィーン大学は「ドイツ語」と書いてありますが、あれは公用語がそうなだけで実際は英語ですべて生活できます。もちろん本当に英語でいけるのかということはしっかり調べておく必要があるとは思います。僕が色々調べたところ、ウィーンが英語圏以外でかなり英語で生活できるという感じでした。

基本的に英語圏以外で英語で生活したければヨーロッパになりますが、大学が有名で、できるだけ多くの学生がいて、できるだけ多くの留学生が来ていて(留学生はほぼ英語で来るし、留学生が多いということは英語の授業が豊富だから)、観光でも有名(多くの観光客が集まるということは英語が多く使われるから)で、というような条件を満たすものは、ウィーンあたりが一番いいと調べた結果そうなったからウィーンにした、という感じです。

3.実際、留学生活はどんな感じなのか

留学がどんな感じかってのを言葉では多分色々聞いてると思うので、僕のある平日がどんな感じか書いてみようと思います。

日々の生活はだいたいこんな感じです。

6:30 起床。朝ご飯を食べる

寮の比較的広い同じフロアの人10人くらいのシェアキッチンに行って、
誰かいれば一緒に朝ご飯を食べることも。

7:20 家を出る

メトロで大学へ。ウィーンはほぼどこでもメトロで行けるから便利です。

8:00 Business and Economic historyの授業

先生がけっこう有名らしくて、確かに聞いていておもしろいです。

9:30 最初の授業終了

休み時間に友達と話したりします。

9:45 International Strategic Managementの授業

講義型の授業だけど、先生がいつも生徒に意見を求めてくる人、
映像とか使って授業していておもしろいです。

11:15 朝の2つの授業終了。

友達と昼ご飯を食べにメンザという学食へ。
この日はフランス人2人、チェコ人1人、中国人1人、ブルガリア人1人、ドイツ人1人と。
次の授業はまで空いてる人と、そのまま小さなクリスマスマーケットへ。

15:00 Principle of Financeの授業

先生の英語のアクセントがすごくて、あんまりわからないです(笑)。

16:30 授業終了。

友達とちょっとしゃべったりして一旦帰宅。

17:00 寮の同じフロアの人と徒歩3分のスーパーに買い物に行き、

寮のシェアキッチンで何人かでご飯を作ります。
この日はオーストリア人3人とドイツ人1人と。

20:00 寮の友達と寮のplaying roomでtable football。

その後、部屋に戻る。

21:30 ウィーンの中心の学生に有名なパブへ。

毎週この曜日はウィーンの学生が集まる日と決まっています。
そのパブはビリヤードとかtable footballとかカラオケとか、
ダンスとか備えてあってここに来ればたいてい誰か友達がいます。
この日はドイツ人、ポーランド人、ポルトガル人、
オマーン人、クロアチア人などとしゃべったり。

0:30 次の日も朝早いため帰宅。
パブは4時くらいまで盛り上がってる

平日の生活はこんな感じです。

夜は他にもオペラとか映画とかを見に行ったり、ウィーンフィルハーモニー聴きに行ったり、サッカーの試合見に行ったり、クリスマスシーズンはクリスマスマーケットに行ったりとかしています。休日はウィーンの立地がかなりよいのでヨーロッパの各国に旅行に行ったり、勉強したり、パーティー行ったり、サッカーしたりします。

ヨーロッパの人は本当に基本的には勉強という感じで、平日の朝、昼とかは基本勉強しているようです。専門的な勉強をしている人がほとんどでそれぞれ自分の分野に詳しかったりします。みんな専門知識は持ってるし、語学も基本的に3カ国語以上はできたりするし、けっこう刺激は受けます。授業は京大と同じような感じで、授業一覧みたいなのがあって(京大より圧倒的に授業数が多い)そこから自分の取りたいものを選ぶという感じです。基本的にみんな6、7個とかの専門的な授業を取っています。一つの授業は1時間半。僕はFaculty of Business and Economicsというところにいるので、FinanceとかMarketingとかBusiness administrationなどの授業を取っています。

授業は基本的にそこまで大変ではないという印象です。ただ、Masterの授業とかで基礎知識がある前提の授業は基礎知識がないとけっこうきついかなとは思います。僕の場合はMasterのFinanceを取ってて、基礎知識がないためあんまりわからないですが、それ以外の授業はわからないということは、あまりないですね。ドイツ語はできないので、授業は全部英語で取っています。

4.ボストンキャリアフォーラムについて

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3年生の後半で留学となると就活が気になる人が多いかもしれませんが、そういう人のためにボストンキャリアフォーラムというイベントがあります。これは例年11月最初あたりにアメリカのボストンで開催されるイベントで、多くの日系・外資企業がボストンに集まって、日本では何ヶ月もかかる就活を一気に3日でやってしまうというイベントです。企業や人にもよりますが、本当に3日で内定がもらえます。そして、基本的には誰でも参加することはできます。自分の志望する企業が必ずしもボストンに来るかは不確実ですが、もし自分の志望する企業が来て、選考を受けられるというのなら、ボストンで3日で就活を終わらせてしまうことも可能です。特筆すべきは、ものすごい効率性とスピーディーさ。一次面接して、すぐ二次面接、5分後に最終面接で決定ということもあります。また、企業によっては英語面接とかもあります。

ボストンキャリアフォーラムに自分の志望する企業が来ているのなら、ぜひこの3日間で内定をもらって就活を終わらせられるといいと思います。自分の志望する企業が来ていないのなら、あまりあてにすることはよくないかもしれませんが・・・。その場合は、普通に日本で王道の就活をするなど他の方法を考えるべきです。留学で日本にいないことで就活が不安な場合は、自分の志望する企業がこのボストンに来ているかどうかをしっかり見ることが重要だと言えます。

5.英語について

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多分、留学に行く人で一番不安なのは英語だと思います。英語ができないから向こうの授業についていけるか不安とか、友達ができるか不安とか思う人が多いのではないかと思います。でもたいていの京大生と同じく、僕も帰国子女でもないし、今まで留学に行ったこともないですし、特別な勉強をしたこととかもありません。受験勉強で英語を勉強したくらいで、それ以降も特に力を入れて勉強していたわけではないので条件はほとんどの人と同じだと思います。

1つ言えることは、京大に入れたのなら英語の基礎は知ってる。だからそれで大丈夫だ、ということです。

僕はペラペラというわけではないですが、今は授業とか友達とかも特に困ることはないようになりましたし。英語に関しては特にびびらずにあとはどんどん慣れていけば基本的に困ることはなくなると思うので、心配する必要はないと思います。たいていの人は多分英語力向上が目的の一つだと思うので、来る前に完璧である必要はないです。人としゃべろうとする気持ちさえあれば大丈夫です。

6.留学に行きたいけれど、迷っている京大生へ

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留学に行ったからどうとか、そういうものは全くありません。もしあまり興味がなければ、日本の時間を失うことにもなりますから、行かなくてもいいと思います。

しかし、ちょっとでも留学に行きたい気持ちがあるのなら迷わず行った方がいいと思います。日本でもやることがあるのかもしれませんが、少しでも行きたいのなら行ってみるべきだと思います。

留学に行くと自分とは全く違う環境で育った人に多く出会えて、色んな話をして、本当に色々刺激を受けますし、聞き飽きたかもしれませんが(抽象的すぎるけど)本当に「プライスレスな経験」ができると思います。特に若い頃は、後から絶対にどうあがいてもできない経験というのをした方がいいと、僕は思います。(別にそれが留学とは限りませんが。)そうでないとあとから本当に後悔すると思います。

僕は、何事も「今」しかチャンスはないと思いますし、それを逃したらもう一生できないと考えた方がいいと思っています。自分の中で現段階でそこまで価値を見出せなくてもちょっとでも行きたければ思い切って行ってみるとよいと思います。

きっと行ってよかったと思えるはずですし、うまくいかなくてもそれも経験。

その経験は今しかできないですし、あとからどんなに望んでもできないでしょう!

色々と重要そうに書きましたが、一方で、結局留学に行くか行かないかは、個人的にはそこまで重大な決断でもないと思います。自分の気持ちに正直になって、もし留学に行きたいと少しでも思うなら、まずは行きたい大学とかを調べてみて書類を出してみるとよいのではないかなと思います。

頑張ってください!


 とにかく思い切って飛び込んでみる。すると、意外とすんなりいったり。もし、いかなくても、それはそれで経験なのだ。寺島さんが言うように、「大学生でしか経験できないこと」は、実はすぐ近くに転がっている。そんな機会をつかむ京大生が、増えるといい。寺島さん、ありがとうございました!

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【Special Thanks】:寺島和志さん(オーストリア・ウィーンから)

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