京大研究成果「試験へのやる気は試験の後から湧いてくる。」

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気がつけば大学の後期期間も残すところあとわずか。そして楽しかった夏休みやお正月を経てわれわれ学生に迫り来る黒い影、「期末試験」。毎年多くの学生が試験勉強に追われ、「あぁ、もっと勉強しておくんだった…」と悔しさを滲ませているでしょう。そんな中、京都大学が試験へのやる気に関する興味深い研究結果を報告しました。試験対策もまずは「やる気」から!

 研究の背景 : 「やる気」のつき方

京都大学の楠見孝(京都大学教育学研究科・教授)と後藤崇志(同博士課程)は2014年11月15日に心理学の国際学術誌「Learning and Individual Differences」に「学業動機づけの内在化に後悔が及ぼす効果:縦断的研究」を発表しました。

心理学における「動機づけ」とは私達が普段口にする「やる気」を指す概念です。

この動機づけには自ら選び行う「自律的動機づけ」とやらされているから行う「統制的動機づけ」の2種類があると考えられており、これらは行うべき対象への認識次第で統制的から自律的へと連続して移行していくとされています。

しかしながらこの連続的な移行(内在化: internalization)のプロセスが未だ明らかにされておらず、今回の研究では「後悔感情」がこの内在化に関与しているとして行われました。

 研究結果

Photo : Goto, T., & Kusumi, T.,“The effects of regret on internalization of academic motivation: A longitudinal study (学業動機づけの内在化に後悔が及ぼす効果: 縦断的研究)”
Learning and Individual Differences.
Published online: 15 Nov 2014

方法と結果 : 「もっと勉強しておけば…」→自律的な「やる気」へ

研究は県立高校の1年生320名を対象として行われ、定期試験1週間前に試験勉強への「やる気」を調査。

続いて定期試験の1週間後に前の週を振り返ってもらい、「もっと勉強しておけばよかった」という勉強後悔と「もっと自分の楽しめることをしておけばよかった」という楽しみ後悔の程度が調査されました。

そして定期試験から8週間後に再び前述の2つの後悔について調査が行われ、さらに次の定期試験の1週間前に試験勉強への「やる気」が調べられました。研究は以上の4回の調査によって行われ、それぞれの後悔と「やる気」との関連が分析されました。

分析の結果、試験直後の勉強後悔が強いほど次の試験に対する自律的な動機づけが高いという結果が得られました。さらには試験に対して統制的な動機づけが高い生徒ほど試験直後の勉強後悔は強くなりました。すなわち試験の前後で動機づけの内在化が起こったということです。

逆に楽しみ後悔に関しては試験の8週間後の調査時に楽しみ後悔が強いほど次の試験への自律的な動機づけが低くなりました。

したがって研究成果は試験後の後悔の対象によって動機づけへの影響が変化することを示唆するものとなりました。

研究者らは今後「自律的な動機づけの獲得に関わる心理プロセスの理解を深め、人に備わっている成長傾向をうまくサポートできるような教育方策につなげるkことを目指したい」と述べており、今回の研究結果を教育現場へ活用していく方針です。

以上のように試験への「やる気」は試験後の後悔が深く関わっているようです。私達もこれまで様々な試験を経験し、たくさんの後悔を味わってきたかと思います。今期の試験勉強に向けてこれまでの自らを顧みて「やる気」を起こし、今度の期末試験はぜひとも悔いのない結果が残せるようにしましょう!

 

京大のセンス、ぎゅっと。SENSE KYOTO


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【トップ画像】 : Alberto G.
【参考】:ReseMom『試験直後の後悔感情が次の試験勉強でのやる気に…京大の研究成果』 / 京都大学 研究成果
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