豪華商品当たるかも!吉田神社の節分祭

標準

京大にもっとも近く馴染み深い寺社といえば吉田神社。毎年2月に行われる節分祭では多くの露店と人が集まり賑わいを見せている。ただし身近ゆえに意外に行ったことない人もいるかもしれない。そんな方のために吉田神社の節分祭を取材してきた。来年はぜひ足を運んでみてほしい。

 節分祭前夜―追儺式―

今年の節分祭は2月3日に行われた。しかし節分祭は当日だけではない。その前日には前日祭が行われ、昼間から多くの露店が立ち並びお祭りの雰囲気を盛り上げる。あたりには美味しそうな香りが漂い、食欲を刺激してくる。

露店

ただしこの立ち並ぶ露店と観光客を含む多くの人はまだ試験や講義が続く京大生にとってはなかなか厄介なもののようで、祭りの間は本部構内の正門は閉ざされ代わりに人1人が通れるような小さな門が開かれるだけとなる。ゆえに本部構内と吉田南構内を行き来する京大生にとっては迷惑極まりない事態だ。実際に門の前後には自転車の列が並び、「正門開ければいいのに」という不満の声が聞かれた。

正門前

前夜の6時からは「追儺式(ついなしき)」と呼ばれる行事が行われる。「追儺」とは中国の古い儀式であり、藤原京の時代に日本に伝わった。別名「鬼やらい」と呼ばれるこの行事は疫鬼を払う儀式として毎年12月の晦日に朝廷で行われ、慶雲3年(706年)に文武天皇によって行われたのが始めとされている。吉田神社では昭和3年(1928年)に当時の宮司らが協力して第1回目となる追儺式が行われた。しかし第二次世界大戦が激しさを増すと灯火管制などにより追儺式は中止となった。その後戦争が終結し、昭和32年(1957年)に吉田神社御鎮座千百年祭の記念行事として追儺式の復活が議論され、異論なく復活を遂げることになった。

追儺式では黄金4つ目の仮面と玄衣朱裳を身につけ、盾と矛を持った方相氏(ほうそうし)と呼ばれる大舎人(おおとねり)が辰子(しんし)と呼ばれる子どもを連れて疫鬼を追い出す。その後、桃の木でできた弓で逃げる疫鬼達に向かって矢を放ち、無事疫鬼は追い払われたことになる。疫鬼は赤、青、黄色などの色でいずれも恐い形相の鬼ばかり。道沿いにごった返す観光客に向かって声をあげ棍棒を持ち上げて向かってくる。子ども達にとってはたまったものではないだろう。ただし子ども達が鬼を見ることができないほど人だかりがすごいのだが。(人が多いうえに鬼が動き回るためカメラで鬼を追うのはなかなか困難…)

鬼

豪華商品が当たるかも?!福豆と抽選券

節分と言えば豆まきだが吉田神社でも節分祭には福豆という豆が販売される。中身は至って普通の豆。歳の数だけ食べて1年の福を呼び込もう。しかしやはり形あるもので福を感じたいのが人の性。福豆を買うと一袋につき1枚抽選券が付いてくる。紙面には組番号と4桁の数字。まるで宝くじのようなこの抽選券だが、節分祭のあとに発表される抽選番号と一致すれば吉田神社に協賛する会社から出された商品が当たるというもの。しかし!注目すべきはその商品!たかが一神社の抽選と侮るなかれ。なんと特賞はトヨタのヴィッツ、車である。その他にも自転車、洗濯機、お酒や宿泊券などかなり豪華な商品が目白押しである。200円の豆を買うだけで車がもらえるかもしれない、そう考えるとかなり夢のある福豆抽選だが福豆の販売数には限りがあるため福を掴みたい方は早めに購入することを勧める。ちなみに筆者も福豆を2袋購入し2枚の抽選券を持っていたが、2月8日に発表された当選番号を見たところ福は来なかったようだ…。

福豆

抽選券

 伝統を受け継ぐために…

以上のように吉田神社節分祭は祭りとしても伝統行事としても非常に魅力的なものである。毎年多くの観光客や周辺住民の方々が訪れ、歴史ある京都の風物詩の1つと言えるだろう。ただし吉田神社周辺を歩いていて気になることもあった。それはゴミの問題である。祭りにゴミはつきものである。多くの人が訪れればたくさんのゴミが出る。実際露店が立ち並ぶ表参道の路上にはゴミが散乱しているところが見受けられた。祭りには海外からの観光客も多くいるなかこのような汚れた道では歴史ある京の祭りにいい印象は持てまい。

祭りは人がいてこそ成り立つものである。行事を執り行う者、それを見て楽しむ者、これらが合わさって祭りは賑わい、受け継がれていく。それゆえに祭りを見に訪れる私たちもこの伝統ある行事の担い手、継承者と言える。この歴史ある祭りが後世まで素晴らしい祭りとして引き継がれていくように、私たちは単なる参加者としてだけでなく「継承者」としての意識もまた大切にしていきたい。

 

京大のセンス、ぎゅっと。SENSE KYOTO


998917_245339242316656_740990136_n

【トップ画像】 : 写真は筆者撮影
【参考】: 『平安京を彩る神と仏の里 吉田探訪誌』 鈴鹿隆男 ナカニシヤ出版 2000年 / 吉田神社ホームページ
広告