社会問題へ若者からの提案!「若者超会議」の熱き議論

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社会には多数の問題が山積している。それらは余りに雑多で手のつけようがないようにも見える。しかし、それを焦らず一つ一つ地道に紐解いていき、論点を整理し、議論していくということはできる。年度末の3月31日、そんなイベントがみやこメッセにて開かれた。総勢700人の若者を中心とする参加者。いったいそこで何が起こったのか?今までにない「祭り」その全貌に迫る。

若者超会議って?


当日昼時、 ivote関西代表による開会挨拶で、「若者超会議」幕を開けた。

そもそもivote関西の目指していることは「若者の投票率を上げる」ことである。しかし、「民主主義」や「投票」と言った言葉を出してしまうと、興味を持ってくれる層が限られてしまう。今回のイベントでは、あえて「祭り」感を出し、より多くの若者へのリーチを試みた。また、「数百人が、発言者の意見を聞き、思考し、発信する場」=「民主主義の体現」と定義し、それを共創することによって社会や政治の中にある自分という人を見つけてほしいという思いに共感した多くのゲストが登壇した。スポンサーにも多数の企業がつくなど、開催前から関心の高さがうかがわれた。

代表や若者超会議のHPによると、「場作り×人創り×国創り」ということが言われている。果たしてこれは達成できたのだろうか。このイベントを振り返りつつ検証してみたい。

若者超会議HP

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ivote関西HP

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●Myファームの設立!医療への市場原理の導入…多分野にて参加者と意見がぶつかる。

メインセッションは各分野における、登壇者の数分のスピーチであるのだが、その後、登壇者はそれぞれ、ある「マニフェスト」を掲げる。

例えば、農業分野の登壇者である平戸さんは「My農家を作る

医療分野の岡﨑幸治さんは「医療に市場原理を導入する

などである。

それに対して、参加者はパンフレットを用いて(表裏で色分けがなされている)賛成・反対の意思表示を行う。

その後に出される質問を基にした議論が交わされた

各マニフェストに対し、非常に厳しい意見が聞かれた。農業分野では、「精神論のようにしか聞こえない」などという指摘が、医療分野では、「結局誰を医者として救いたいのか?」という鋭い指摘が聞かれ、市場原理の導入によって、果たして本当に最低辺の部分まで現状よりも底上げされるのか?それは保証ができるのか?という論点に近づいた。残念ながら時間の制約もあり、さらに突っ込んだ議論は聞かれなかったものの、一つの問題提起になった。

今後の活動を考えたときに、少人数の場でこのような活発でさらに突っ込んだ議論が期待される。

実は、このメインセッションの前、元NHKアナウンサーの堀潤氏による30分の公演があり、その内容が、物事を掘り下げて考え、いったい何故なのか、自分だったらどうするのか?、誰が問題なのか、というレベルで考えることが重要という趣旨のお話がなされた。そのあとの議論であったため、良い意味でなおさら白熱したのかもしれない。

 

参加者の声

Q.まだ始まったばかりですが、このイベントはどうですか?

まだ始まったばかりなのでわかりませんが、参加者の熱気をすごく感じます。こういう機会がたまにあってもいいかなと思いました。

Q.参加されたきっかけは?

サークルの友人がこのイベントの運営に関わっていて誘われたのが直接の理由です。普段から様々な社会問題についてディベートをするということを習慣的にやっていたので、 さらに興味を持ちました。

Q.普段の活動と今回のイベントをどう繋げて行きたいとお考えですか?

やはり、多くの人と議論をすることは大事だと思いますし、このような場所で見ず知らずの人と意見を共有してみるということはとても有意義なことだと思います。ただ、それぞれの分野のことに対して、より深く見識を立てていくためにも、普段からなんらかの軸を持ってやっていくことが重要だと感じています。

 

登壇者インタビュー

以下、 一部の登壇者ではあるが、登壇後にSENSE KYOTOがインタビューをした内容を掲載する。

○岡﨑幸治 氏

日本医療界のチェンジメーカー、最近医師国家試験を通過、元東大応援部主将。

若者超会議では「医療への市場原理の導入」を提案。

岡﨑さん

Q. 市場原理主義は面白いと思うが、ある医者しか治せない疾患の場合、もしその医者が価格を高く設定するような人物のならば患者はやむを得ず投資するしかなくなるという問題が起こると思うがいかがお考えですか?

岡﨑氏:1つは「程度の問題」でもう1つは「市場原理の仕組み」に依るものですが、まずそのような不当な値段を設定することは起こりえないということ、競争相手はたくさんいるということです。競争相手がたくさんいる限り、劣悪な医療を高額で提供することはできない、他の医療提供者の方へ行きますのでプレーヤーが多い限り市場原理は成功します。一方で命に関して、どれだけ規制を撤廃するかという「程度の問題」もあると思います。

例えば私が規制を撤廃してもいいと思う医療分野は膝が痛いだとか顔面が麻痺するといった命に直結しないような医療に関しては、美容整形なんかもそうですね、高いお金を払える人がそれ相応の医療サービスを享受できるようにしてもアリだと思います。美容外科は価格は実際医療者側が自由に価格を設定していますが。一方でケースバイケースなんです。救急外傷だとか致命率が高いガンだとかに関しては最低限の医療は保障はしなければならないと思います。

―市場原理になるとその最低限の医療も医療関係者が個人個人の価格を設定してしまうが?

岡﨑氏:先程も申し上げたように「程度の問題」で、ケースバイケースで、どのような程度・分野までは規制を撤廃して一方で影響力の大きい分野に関しては規制するという考えです。普通の市場も同じですが、「神の見えざる手」に任せっきりではなく様々な外部性だとか不都合を政府の側から幾分かは統制することが必要だと思います。そこで私の考えは規制撤廃の方へ今後はシフトしたほうがいいのではないかということです。

―全部というわけではないということですね?

岡﨑氏:もちろんそうです。

 

Q. 岡﨑氏の提案に関して会場からは反対側からの質問が多かったり会場の意見も反対を示す赤が多かったと思うのですが 、今回の結果を受けてご自身の考えに何か変化や見直すべきところなどはありましたか?

岡﨑氏:私はむしろ賛成が思ったより多かったなというふうに感じました。私は今の世論では当然反対されると思っています。こうした方が良かったなということは特にはありません。願わくばこれを機に皆さんが考えるきっかけになってくれればと思っています。このような方法もあるとまず認識してもらってニュースなどに触れるにあたってそのような方向からも考えられるようになっていてくれれば。最終的に世の中を動かすのは私たち国民ですので少しでも考えるということが今回できたならばそれに越したことはありません。反対されたということに私がダメージを受けることはありません。

 

Q. 国のDPC(診断群分類別包括制度)などの政策で医療費が安くなって誰でも医療を受けられると思っていたが実はそうではないという発想(市場原理の導入)に至った経緯をお聞かせ下さい。

岡﨑氏:2つ理由があります。1つは政治的要因が多分に絡んでいるからです。

例えば製薬業界だと日本は開発力が今ないのですが、そんな中でなぜ生存できるかというと日本では特許が切れた薬でも価格が下がらないからです。市場原理に任せるならば価格破壊が起こって収入にならないような状況が起こるべきなのに、薬価改定の下げ幅が非常に緩やかなんです。そのようなもとで日本の製薬会社にすると新しい医薬品を開発するインセンティブがないんです。ですので日本の医薬品開発は非常に遅れています。価格の保護がなくなると一瞬で海外の製薬会社に突破されます。もはや後戻りできないレベルだと私は思っています。そのようなことが起こってしまった原因として厚労省の政治的介入が働いていたという風に私は思いました。人員コストの段階からです。

もう1つの理由はあまりに医療が複雑すぎるからです。

国が最適な価格設定をできません価格設定は市場に任せるべきです。プレーヤーがたくさんいる限り、価格決定権は医療者が持っているとしても利益を最大にするための価格は市場によってきまるので。個人が決めることはできません、最適な価格は。こうした理由で市場原理の導入の考えを持っています。

(インタビューは同志社大学英字新聞部と共同)

 ○世羅侑未 氏

直感力教育の担い手、Mindfullness IN Action (MIA)代表

若者超会議では「全国へのマインドフルネスセンター設置」を提案。

世羅さん

Q. マインドフルネスと日本に古来からある禅や瞑想などとの違いは何ですか?

世羅氏:マインドフルネスはもともと禅の中にある考え方だと思っていて、マインドフルネスは日本語で言うと「念じる」っていう風に書くんですね。「今」に「心」と書いて。禅の基本もやはり「今」に心を置くことなので、「禅=マインドフルネス」ではないけど禅っていう考え方の中に今に心を置くということ、マインドフルネスということが大事な要素で入っていると思います。

 

Q. リーダーシップには今を考えるというマインドフルネスが役立つということでしたが、今回のテーマにあがっていた「民主主義」にはどういう風に作用するとお考えですか?

世羅氏:若者超会議のなかであったように、民主主義において自分たちが持っている権利に気づくということ、私たちは1人1票もって政治に意思表示する権利・力が与えられていて、でもそれに気づいていないからその力を使わないということがあると思っていて、マインドフルネスってやはり自分が置かれている状況だったり、権利があるということだったり、自分が1票を投じることで何かが変わるかもしれないっていうことに気づいていくことなので、民主主義においてこの国の将来を変える権利、意思表示する権利があるということに気づくというのはよりマインドフルであると思う

 

Q. 最後にマインドフルネスセンターを全国に設置することを掲げていらっしゃいましたが、全国には自然や観光地などの静かな気持ちを感じる場所が多くあります。そうした場所でマインドフルネスはできないものなのでしょうか?

世羅氏:代用できると思います。そもそも自分の中でマインドフルネスや沈黙の時間を持てる人は別にセンターがあってもなくてもあまり変わらないと思っていて、センターを作る目的は習慣づけのキッカケ、そもそもそういう習慣がなかった人がそこに何度も何度も通うことで沈黙の時間をとる、自分の意志を確認することを習慣にしていく最初のキッカケとなることと、もう1つはそういうことをする仲間をつくること。スポーツジムやフィットネスジムとかと原理は同じだと思っていて、べつに筋トレなんて川でできる。だけどもその登録をする、行くをいうことでそれが本当に忘れずに習慣になっていくし、かつ一緒にやる仲間ができていく。それも習慣づけをしていくための1つの強い味方だと思っています。

そのために私はキッカケ作りとしてセンターというのは立ち上げる価値があるかなと思っています。

 


今回のイベントは、若者が社会問題に目を向け、その解決の糸口を探り、実際に行動へ移していくというプロセスの序章に過ぎないと感じる。いや、ひょっとするとまだ序章にも至っていないのかもしれない。

しかし、地道な努力は必ずやなんらかの結果をもたらすはずである。冒頭でも触れたように、今回のこの大きな催しには、なんと京都の学生を中心に700名ほどが参加したのである。その一人一人が参加前後で、少なからず影響を受けたはずである。

今後は、今回の700名をさらに超えた人々へのリーチが望まれるとともに、今回の700名がより深いステップへと写っていくことが必要なのではないだろうか。さらに、まだまだ多く潜んでいるであろう若者の各分野ごとの社会への声を議論の俎上へとのせていくということも必要であると感じる。今回の登壇者それぞれの提示したアイデアへの賛否だけでなく、さらなる論点の提示などを行っていくことも必要であろう。

 

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京大のセンス、ぎゅっと。SENSE KYOTO

【Special Thanks】:ivote関西
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