【あなたの知らない「留学」のかたち】「○○×留学」サロンに行って気づいたこと

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「留学」。一部の人にはとても魅力的に響きますが、興味のない人にとっては何の意味も持たないこの単語。時間の無駄・お金の無駄、英語の勉強なら日本でもできるし、自分には留学なんて関係ない…

ですが、もし「留学=語学留学」だと考えている人がいるならば、それはもう昔の話。今回SENSE KYOTOでは、「トビタテ!留学JAPAN」のプログラムを利用して「研究留学」を経験してきた学生の皆さんの発表を聞いてきました。そこで語られていたのは、わくわくするような学びの方法。

ありきたりの留学に意義を見いだせないあなたに伝えたい、新しい「留学」の可能性を発見してきました。

 

2017年2月11日、京都大学西部構内医学部人間健康科学科校舎にて、第2回「サロン『○○×留学』」が開催されました。この企画は、「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に参加した京大生からなる学生団体の「トビタテ!アラムナイ京大生有志」が主催しているもので、昨年に引き続き二回目の開催となります。

第1回サロンについての記事はこちら→URL:【留学支援】月20万円!?「トビタテ!留学JAPAN」って?

 

〇そもそも「トビタテ!」プログラムとは

「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」とは、文部科学省主催の留学支援プログラム。いちから自分で留学計画を立て、審査を受け、合格すれば用途不問の奨学金がもらえます。詳しくは下記URLから公式サイトをご覧ください。

URL:トビタテ!留学JAPAN

 

〇「サロン『○○×留学』」とは

今回のサロンの基本的な流れは、実際にこの留学支援プログラムを使って留学した方がご自分の研究についての簡単なプレゼンを行い、その後参加者との質疑応答を行う、というもの。

発表内容は多岐に渡り、

例えばある経済学専攻の方は「留学とは本当に意味のある体験なのか」を経済学的視点から考察、

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また医学部医学科でがんの研究をされている学部4回生の方は、留学先で行った研究と日本で行っている研究についてとても詳しくかつ分かりやすく説明されていました。

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留学先での体験についての報告会というよりは、留学を通して学んだこと、現在研究していることについての発表会、といった感じです。

 

また、コーヒー片手に発表者と一対一で話すことができる時間や発表者同士のディスカッションの時間も設けられ、とても親しみやすい雰囲気で会は進んでいきました。

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〇「やりたいことが日本でできるなら日本でやればいいし、海外でしかできないのなら海外に出ればいい」

発表者の方々に共通していたのは、自分の専門分野に対する愛情と、溢れんばかりの探求心。彼らはどのような意識を持ってこのプログラムに参加していたのでしょうか。それを知る手掛かりは、ある発表者の方の

「やりたいことが日本でできるなら日本でやればいいし、海外でしかできないのなら海外に出ればいい」

という言葉にありました。

彼らは「留学」そのものがしたかったのではなく、自分の関心・目標の達成には「留学」という手段が最も合っていた、ということ。今まで日本では「留学」と言えば語学留学、といったイメージが強く、がっつり専門分野の勉強をしたい人はむしろ留学を避ける傾向にあったように思います。

しかし、この「トビタテ!」プログラムは学部生のうちから「研究留学」することを可能にしています。加えて、プログラムの補助対象は現地の大学での学びにとどまりません。フィールドワークや海外インターンといった学校外での研究活動を行うことも可能です。

 

〇「留学=語学留学orホームステイ」はもう古い!

若者の安全志向が強まり、海外に出る人が少なくなったと言われて久しい昨今、大手留学エージェントや留学体験者のコミュニティは、私たち大学生に対し、いかに留学が素晴らしいかをアピールしてきます。パンフレットをめくれば、「夏休みを利用して、海外で自分を変える!」といったきらきらしたキャッチコピー、「ホストファミリーにグランドキャニオンに連れて行ってもらいました」「語学学校で知り合ったオーストラリア人の友人とはまだ連絡取り合ってます」などの充実感のカタマリのような留学体験談の集中砲火。

しかしいくらその素晴らしさを説いても、語学留学なんて無意味だと思っている人の心に響くことはないでしょう。むしろ、留学に対して反感を募らせる結果となってはいないでしょうか。

ですが、そもそも「留学=語学留学orホームステイ」なのでしょうか?否、今回のサロンからも分かるように、もうそんな時代ではありません。もっと多様な方法で海外に出ることが現実的に可能になってきています。

留学パンフレットを眺め、引き出物のカタログを見て高級ハムの詰め合わせか二泊三日の温泉旅行のチケットにするかを選ぶかのごとく行く国や通う学校を選ぶのではなく、まず目標を定め、計画を立て、実際に現地に行く。帰国後もそれを単なる思い出にはせず、日本での次の学びに活かす方法を考える。そのプランはどこにも載っていないし、得られるものは100%オリジナルの経験です。

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PHOTO by Miguel Escobar Toledo

 

〇ナチュラルな海外志向

このように書くと、留学のハードルが急に上がったように思ってしまうかもしれません。

確かに、パッケージになっている語学留学プランを使うよりは、自分でやらねばならないことは多いでしょう。今回のサロンでも、かなり苦労したというお話を何人かからお聞きしました。しかし、明確な目的意識がないことには得られるものも少ない、というのは留学に限った話ではないでしょう。それより、お金と時間をかけて留学したが結局何も残っていない(就職の時にちょっと有利)、というのはあまりにも空しいと思いませんか。

それでも、別に「バイオビジネスで一攫千金目指してアメリカで修行してきます」といった壮大な目標を掲げる必要はありません。むしろ、このサロンでの発表者の皆さんは、このような大きな夢を語るタイプというより地道でひたむきなタイプであるように感じられました。彼らは、自分ができることは何かを考えたらそれが海外にあったので留学しました、といった風に、それまでの勉強の延長線上に留学を位置付けています。

これは非常にナチュラルな海外志向である、と表現することができると思います。「医学の分野で世界最高峰のフランス○○研究所で数か月間研修する」や「現地の支援団体の活動に何か月か参加させてもらって、その上で博士まで進むかどうか考える」などといったように、選択肢の中に普通に海外での活動を組み込むことが、これからはできるのです。

 

〇運営委員河合さんに聞く、サロン「○○×留学」ができるまで/今後の企画について

このサロンでは、とても自然な選択肢として研究留学が存在感を増してきたこと、そしてそれが今回の発表者の方々の今後の学びにとって大きくプラスになっていることを知ることができました。またどの発表者の方も「トビタテ!」での経験に満足して停滞することなく、さらなる課題を見出しそれに向かって新たな取り組みを始めていました。中学校の教員になって実際の現場でよりよい教育を考えていくことであったり、留学先で感じた不便を解消するためのコミュニティを設立することであったり。どれもこのサロンに参加しなければなかなか知る機会のないお話ばかりでした。

そこで、今回のサロンの運営委員を務めておられ、またご自身もこのプログラムを利用して海外で勉強して来られた河合道雄さんに、このサロンへの思いと今後の展望について伺いました。

〇サロン「○○×留学」に込めた思い

留学というと「異なる文化の中で、苦労をして、それを乗り越えた」という紋切り型の物語が語られがちです。しかし、トビタテのつながりの中では、自分なりのテーマを持って、その追求・探求のために留学する人にたくさん出会ってきました。私たちは、昨年度から「トビタテ生が探求しているテーマ(=専門性)を伝えていくことはできないか」ということを目的として、「サロン『○○×留学』」を企画してきました。
今回は、テーマ別セッションという、開発・教育・医療のテーマで、発表だけではなくパネルディスカッションを行う企画を実施し、より深く掘り下げて伝えることを試みました。私は教育セッションでしたが、留学先は違えど、似たような関心・志を持ったもの同士、深めた知見を交換することでの知的な興奮が登壇者間だけではなく参加者にも伝わったものと自負しています。

 

〇今後の活動へ

今後は、関西にも多くのトビタテ生がいることから、京大を拠点にしつつ関西一円での留学機運の醸成を図ります。もちろん、来年度は第3回が企画できればと思いますし、テーマ別での勉強会の活動を活発化し、専門性・探求テーマを入り口に留学を考える人を増やしていければと考えています。興味のある方はぜひご連絡ください!

 

※すでに「開発」をテーマにしたコミュニティは活発に活動しています。

『TB4S』URL: https://www.facebook.com/tb4s.info/?ref=ts&fref=ts

教育をテーマにしたコミュニティも今後活動予定だそうです。

 

〇おわりに

自分が好きなことについて自由に研究する、これは多くの人が大学生になるとき思い描くことではないでしょうか。しかし、テストやレポートやバイトに追われる日々の中で、その意欲が薄れていってしまうのもまた事実。「トビタテ!」プログラムはそんな毎日に目的意識を持たせてくれ、今までは夢物語だったような型にはまらない留学計画をリアルなものにしてくれます。

実際、今回取材にあたったSENSE KYOTOメンバーは、語学留学や海外ホームステイをするくらいなら日本で研究したいと考える「留学懐疑派」でした。もちろん、語学留学やホームステイを通して得られることもたくさんあるでしょう。でも「英語なら日本で勉強すればいいじゃん」、そんな風に感じている大学生もきっと多いはず。しかし、今回のサロンでの生き生きとした発表から、研究やフィールドワークのための留学、という選択肢がとても身近なものとなっていることに気づくことができました。

あなたの「留学」のイメージ、すでに過去のものかもしれません。「トビタテ!」プログラムを使って新しいかたちの「留学」に挑戦してみてはいかがでしょうか?

 

 

〇関連リンク一覧

・『トビタテ!留学JAPAN』 http://www.tobitate.mext.go.jp/

・『TB4S-Team Business for Sustainability』 https://www.facebook.com/tb4s.info/?ref=ts&fref=ts

 


 

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